舐めていた。
滋賀県は日本屈指の工業県であるが、
僕の田舎は産業といえば農業がわずかに営まれているだけで
非常に貧しい土地である。
毎年11月には農協(JA)で農業祭が催されたのを覚えているが、
鄙びた土地に相応しいイヴェントだったように思う。
ところでここ大阪は高槻は
ベッドタウンとして発展した市街地、
北摂随一の商業集積地である。
そんなとこで農業なんて。と
タカをくくっていた僕だったが、
今日の熱気を目の当たりにして考えを改めた。
朝9時。
今日も妻が喉が痛いといって
故障者リスト入りしているので
豚児を連れ出して向かった先は農
林業祭。
まあなんか食べ物でも買って豚児を誤魔化そう。と軽く考えていたら
立錐の余地もない自転車(こうゆう使い方はしないが)。
道路に溢れかえる自動車。
お年寄り。
お年寄りでごったがえす会場は
朝市の雰囲気そのままに威勢のいい売り声が飛び交う。
両手に袋をぶら下げて物色するお年寄りたち。
アンダー60は僕と豚児ぐらいだろうか。
凄い熱気である。
時を同じくして、ステージでは
農作物の品評会の表彰式が行われようとしていた。
高槻市議会議長閣下のご挨拶である。
何を思ったのか豚児は
「これ観たい」と足を止め、
客席最前列で会に列席したのだった。
来賓も凄い。
議長閣下は勿論のこと、
市長閣下、地元選出の衆参議員殿、
府議会議員殿が
勢揃いである。
通常のイヴェントでは当然来賓として遇されるべき
市議会議員殿ですらステージに上がれずアリーナで
大挙して座る。といった有様である。
政治と言えば一に外交、二に経済であるが、
三に農政であるというのを強く実感した。
しかし、品評会で大根やら玉葱やらで受賞された面々をみても、
何よりこの会場に集まるお客とお店を出している人をみても、
農林業に携わる人の高齢化といったらない。
単に農業に従事する若者が未熟で賞がもらえないのか、
それとも農業に従事する若者自体いないのか分からないが、
30さいの僕が参入して
メチャメチャ本気でがんばったら一番下の賞でももらえないかな。
もらえないだろうな。
なんて考えたりした。
なんだろう。ぼんやりとした参入障壁を感じるな。
その後、隣の第一中学校で催されている
「食育フェア」を覗いた。
ケータリング業に従事している妻が来れば
いろいろ参考になっただろうな。と思うこの催し、
市立
保育所や小学校の給食が試食できたりして
とてもナイスなイヴェントだった。
市教委の人たちは総出で大変そうだった。
特に
保育所の先生によるペープサートなどの
幼児向けの催しも充実していてこれは豚児向けであった。
お陰で豚児を長時間滞在させることができ、
妻の休息にも一役買った。よかった。