RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

羨望

画像

画像

繊細に編まれた物語を読んで感動する、

尊敬する人の話を聞いて感動する、

希有な感性の絵画・写真を観て感動する、

後藤選手(オリックス)の神業のような守備に感動する、

ロマン溢れる音楽を聴いて感動する、

ということはよくあるし僕は上に挙げたようなことは

得意分野というと自信がないけど興味がある分野ではあるので

感受性のアンテナは3本くらい立っているし

他の分野に比べて心を揺さぶられることはよくある。

反対に、例えば

「グルメ」という分野は

正直得意ではないし、見識もないので

ミシュランガイド星いくつ」とか

「このラーメンが旨い」とか言われても

もひとつピンとこない。

(日本人の麺類に関する拘りの深さは相当なモノだと思うが)

たぶん僕もおいしいとは思うだろうけど、

運命のラーメンに出会って涙を流しているような人ほどの

感動はどうしても分かち合えないだろう。

それは僕の味覚が幼稚なためであり、

関心のない分野に対する感覚は

鈍麻していくのは仕方のないことである。

しかし、そんな味音痴の僕だが、

ピエール・エルメ氏に作ってもらった氏の代表作、

カロン

ひさしぶりに、

おいしいものを食べて「感動する」という

経験をしたのである。

丁重な包装で届けられた箱には、

カラフルなマカロンが6つ、入っている。

よく分からないがカタログを見ると

「ローズ」、

「オリーブ」、

「カラメル」、

「シトロン」、

「アンヴィ」、

「ショコラ」…の6種類だろうか。

凄い。の一言である。

大概、新しいお菓子を食べても既視感というか、

味の記憶がいままでの何かと結びついているものだけれども、

これらのマカロンは僕の知っている何者でもなく、

新しく輸入し発見された感覚であった。

また、その味は複層的で幾重にも構築されていることが分かる。

一方印象は大胆で、ちょっと囓っただけでも

十分に満足を得られる濃厚さでもあったのだ。

僕は、「シトロン」と、

グッチでもおなじみの「アンヴィ」が気に入った。

今度パリに行ったら(いつのことやら)

ぜひピエール・エルメに足を運びたい。