RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

凄い桃谷楼

たまには家族で外食を。

と、向かったレストランで凄いものをみた。

わーおいしそうだね。

オレこれにするー。でもやっぱこっちにしよーかなー。

とかメニューを見ながら相談して、

すいませーん。とお店の人を呼んだ。

おねえさんが来てくれた。

「あのう、

このトロピカルマンゴージュースと、ウーロン茶。

それとゆず茶、えっ違うって?ああ、この、ジンジャーエール

で、この担々麺、どっちか選ぶって?

じゃあ四川風の方で。それと、餃子二人前、

ポトフ、フライドポテト、えっいま品切れなんですか、

じゃあ明石焼。季節の彩りサラダと冷やしトマト。

トマトも品切れ?しかたないなあ。

じゃあこのなんとかカルパッチョを代わりに一人前。

デザートは、えっと、後でいいって?さっきこのシャーベット食べたいって

言ってたやん。あ、ナシナシ。後でまた注文します。

それと、あの、前にここで食べたんですけど、おいしかったの、

あの、パンに挟んで食べるやつ、なんでしたっけ?

あ、それはコース料理でしかないんですか。失敬。

それに煮込みハンバーグと、鰆の西京焼き、こんだけで。」

……と、おねえさんにオーダーをしたのだけれども、

違和感が拭えなかったのは、おねえさんがお冷やをもってきた

おぼんをもったままこちらの注文に傾聴していることで、

いや頷いてくれるのは聴いて貰ってる感があって嬉しいのだけれども、

ガストとかでは電卓みたいなやつにこっちの言ったことを

入力したり言い間違いを消去したりしてくれるし、

居酒屋ふくちゃんでは紙、いわゆる伝票に

生―3、鳥モリ―2、みたいな感じで簡単なメモを残すのが慣例で

飲食店ではお店の人がかかるオーダーの受け方をするのに

僕らは慣れているんだけれども、

ここのおねえさんは結局一通り聴き終わると

「かしこまりました」と言い残して立ち去ってしまいました。

これには一同目を見合わせて、

「あのおねえさんだいじょうぶ?」

「ただ聴いてるだけだったよ」

「電卓とかメモ用紙とか見あたらないね」

「オレらの注文わかってんのかなあ」

と、不安に駆られつつ料理を待ったのですが、

結果は、

僕がしどろもどろに述べた上記のオーダーは種類、数量とも

寸分違わず運ばれてきて、せめて一個ぐらい、

ハンバーグとビビンバを間違えるぐらいの愛嬌があってもよかろう、と

予想していた僕らの期待を大きく(いい方に)裏切ったのでした。

まったく凄い人がいるものです。賞賛を惜しみません。

帰りの会計レジにも当該おねえさんが立ってたので、

僕は

「どんな修行をしたんですか」

と聴きたくて仕方がなかったのですが、

引っ込み思案が災いしてできませんでした。