虫が嫌いです。
僕は。
よく小学校の教室なんかで昆虫を山盛り飼っている人なんかがいて
全く気が知れないなあと思うのですが、
虫なんて敵にしか思えません。
いや、敵という表現は少しそぐわなくて、
みんなが忌み嫌うゴキブリなんかは別に怖くもないし
躊躇いなく始末することができますが、
なんていうか、今日は
トンボが我が家に侵入してきた
のです。
トンボそれ自体は決して好きになれませんが、
かといって「敵」とまで言い切るのも忍びなく、
無下に抹殺することができません。
あらためて
本当に怖かったです。
羽をブンブン言わせながら部屋中を飛び回るんですもの。
恐怖で足が竦みました。
しかしながら、僕は家長として家族を守る義務があり、
せっかく手に入れた平和主義マイホームを
傍若無人たるトンボに占領されるわけにはいかず、
徒手空拳で立ち向かったのです。
ノーブレス・オブリージュです。
ですが、丸腰というのはよくないですね。
あっさりやられてしまい、ほうぼうの体で逃げ出した僕でした。
一時は隣家から昆虫採集用の網を借りてくるという
マーシャルプランまで飛び出したのですが、
自国領土ぐらいは責任を持って守らねばなるまい。
国家の威信をかけて開発したのは、
箒と７０Ｌゴミ袋からなる必殺兵器。
いまから思えば、これは本当に良くできた代物でした。
それをもってして、ようやく侵略者の撃退と相成ったのです。
日本にもまだまだ気概のある若者がいることよのう。と
一人二役で賞賛しまくった晩でした、
