RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

砂漠

今日は豚児のおともだちがあそびにきてくれた。

雨の中申し訳ない。

順番が前後するが金曜。

会社を定時に退勤、いつもどおりVOX号で帰途。

いつも高槻市の辺境を貫くバイパス道路を通って帰るが、

辺境だからか道路の状態がよくなく、

結構な頻度でアスファルトに穴が開いていたりして危険。

穴を避けて走行したいがあまり右に反れるのも

びゅんびゅん走る自動車とぶつかりそうで危険。

で、今日もがこん。と穴に前輪が嵌まり、

まあこれはよくあることなのだけれどもその直後、

急にエンジンが回転を止め、

みるみる間に減速。アクセルをいくら回しても

時速10キロ前後での加減速を繰り返しながら

不安定な挙動。

堪らず路肩に停車、

エンジンを切ったが最後。

再始動しようとイグニションを回しても

何も起こらない。

ランプのサインすら点らず、完全終了となった。

周囲は低地帯に広がる田園。

救助を求めようにも、こんな日に限って携帯電話を

自宅に忘れている。

さすが35万人の人口を擁する高槻市である。

伊達に狭くない。

広い。

まだ自宅までは7キロ以上あるだろう。

その道のりをVOX号を押して歩かねばならないとは。

なんとか始動できないか、と

キックしたりいろいろ試したら、

何度目かのキックで始動。

だが一瞬灯った希望は瞬く間に消滅。

エンジンは初めて見る不安定な回転を繰り返し、

時速は10キロにも届かない。

これでも歩くよりはマシだと

VOX号に跨ってみたものの、

時速10キロの原付なんて危なくて仕方がない。

ラクションを何度も鳴らされ、バイパスを退散。

住宅街に迷い込んだが

傍目には不審そのもの。

そんな有様で数キロ進んだだろうか。

しかし、何が起こったのか徐々に元の速度で走れる

距離が長くなってきており、

最終的には1キロあまりを連続で走ることができた。

長い帰り道をたどり着いた後はいつものバイク屋さんに

直行。

こんな訳の分からないトラブルをうまく伝えられる訳がない、

と思いつつでも一生懸命説明したら

トラブルの内容は概ね理解、

でも原因はすぐには分からない。とのことだった。

バイク屋さんではなぜかVOXエンジンは普通に回転。

これじゃどうしようもないので店長がその辺をドライブしてきてくれた。

でも普通にドライブ。

もう治ったのかもしれない。

でもこの誠実なバイク屋さんは

いろいろ調べてくれて、

一番怪しいのはレギュレーターという、電圧を調整する部品らしかった。

それを試しに交換して貰って、

僕もこれで大丈夫かな。と半ば安心、半ば諦め、という心持ちだったんだけれども

店長、

「機械に自然治癒はない。通勤途中にもしまた起こったらRさん

確実に会社、クビですよ」と

預かり修理して、原因を徹底究明くれるとのことだった。

本当に申し訳ない。

結論から書くと、

さすがプロのバイク屋さんである。

実にレアな事例であったVOX号のトラブル原因を見事に特定。

バッチリ直してくれたのだった。

店長は症状を再現するため、わざわざ山奥の凸凹道まで

VOX号を連行、ドライブさせてくれたのである。

すると見事に症状が現れ、

そこからはプロの目で診断が下ったのである。

ヒューズがとんだ。

正確には、「半分とんだ」という実にレアな状態であり、

店長によると恐らく、

最初の衝撃でヒューズが破損。

でも、無理矢理エンジンを回していたら

ヒューズが溶着したみたいな感じになり、

電流が流れて動いたのではないか。とのことだった。

見せて貰った問題のヒューズは、

確かに不自然な切れ方をしていた。

機械に弱い僕も、

ランプすらつかなかった時点で電装系のトラブルは疑ったけれども、

その後の挙動からはむしろ、エンジンのベルトとか

或いはギアとか、もっと深刻というか致命的な破損を危惧していた。

こんな小さな部品の小さなトラブルを見つけてくれるなんて。

深い感謝の気持ちに包まれながら眠った。