RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

監査

昨日は外部コンサルタントの人による監査が行われた。 これもISO9001の認証のためにはやらなアカンことである。 対象は僕ら総務課の給与計算なんかで、 抜き打ちではなくて定例の監査なんだけれども、 「次は総務課よ」と言い渡されてから なんか眠りの浅い夜が続いた。 ・・・そう書くとなんか僕が他人に言えないようなこと(裏金づくりとか)を しているように思われるが実際はそうではなく、 むしろ法令条例規則ルールを墨守しすぎるくらいに業務をこなしている。 しかし、人間というのはごく一部を除いて不完全な生き物なので、 僕も完璧な人間かと問われてイエス。と答えるほど傲慢ではなく、 ということはどこかに落ち度があってもおかしくない、というかあるはずなのである。 監査会場のコンサルタント会社に書類を持って訪ねた。 融通の利かなそうな公認会計士の人が椅子に腰掛けている。 「よろしくおねがいします」 会計士の人が黙って書類を一枚一枚「目を皿のようにして」捲る。 大して面白くもない書類だが。 紙を捲る指が時々止まって、 「ん」と、声とも唸り声ともつかない声が漏れ、 その度に僕も 「へ」と、「げ」と「え」の中間ぐらいの擬音を漏らした。 いくつかはそのまま通り過ぎたけど、 一点、会計士の人が質問というか疑念を投げかけてきた。 「ん。ここに挟んである賃貸契約書のコピー、これじゃ不完全じゃない?」 「へ。えっなんで」 「印鑑がないし」 「でもお、給与計算の手引きには、『アパート、借家等の場合』で、賃貸の事実を証明するために、 賃貸人、賃借人、物件の所有者、物件の所在、契約期間、家賃、あと広さとかが分かる賃貸契約書を 添付しろ、ということでここに挟んであるページにはそのどれもが載っているじゃないですか。 法的な証明にはならなくても権利関係は明白ですよ」 「しかしね、賃貸人(甲)賃借人(乙)と書いてるけど、この甲や乙が実際に契約を取り交わしたと いう事実がここからでは確認できないんだよ」 「どう見ても賃貸人はここに書いている帝国住宅さんで、賃借人も同じくここに書いている鍋山さんじゃ ないですか」 「ここだけ見れば『こういう契約をしよう』という確認をしたとしか見なされなくて、 事実関係の証明には署名、押印も必要になってくるよ」 「そんなあ」 ・・・と僕は、判然としなかったが会計士の指摘を仕方なく受け入れることにした。 僕はいつか、監査される方じゃなくてする方になりたい。