RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

有名私立小学校潜入

朝から豚児の保育園で

「生活発表会」が開催された。

それが終わって僕が早足で向かったのが

近くにできた某私立の有名小学校。

豚児の入学する小学校はどこが相応しいか。

いまから下調べに余念がない僕だが(嘘)、

以前からここの校舎の堂々たる威容に、

「中ではどんなことやってるんだろ」と

気になっていた。ところ、

ここの研究発表会が催される。と先月聞きつけ、

参加申し込みをしていたのである。

無論、学校の先生限定の発表会のため

僕は勤務先を「小学校と取引のある会社」ということで

無理矢理関係者を装って潜入したのである。

前述の通り保育園の発表会に行っていたため

遅刻して会場入りした僕だが、

受付の人もものすごくウェルカムしてくれて

校舎まで案内してくれたりした。

さすが有名私立である。

しかし、校舎に足を踏み入れた途端、

僕は従来の「小学校」の認識を大きく覆されることに

なったのである。

ここは小学校なのか?

巷の公立小学校と比較して論じることすら不可能なくらい、

僕が知っている学校の構造とは違う。

新築なので新しいというのは勿論だが、

校舎建築に一時期流行したオープンスペースを取り入れ、

スペースを贅沢にとり

児童の動線について無駄のない配慮がなされている。

その他様々な知恵工夫は後の研究協議会で知ることとなるが。

僕は私立小学校を訪れたのは実は初めてであるが、

どこもこんなのだろうか?

凄すぎる。

教室の周りには立錐の余地もないほど多くのお客さん。

すでに二時間目の授業が始まっていたが、

僕が授業の内容を把握するのには時間がかかった。

「二年 生活」という掲示があるが、

ICT教室で小学二年生のキッズたちは

一人一台アイパッドを操作し、パソコンでプログラミングを行っている。

嘘だろう?

三時間目は1年生の授業を最初から最後までぶっ通しで参観した。

国語である。

物語を作ろう。という内容で、

「はじめ」「なか」「おわり」の本時は

「なか」を検討するのだという。

いままでに用意したトピックスを

どのような順番で配列して構成するか。

という問題に対して意見が交わされる。

嘘だろう?

1年生と言えば、時系列で物事を順番に書いて

まず合格点のはずである。

しかしながら、今回の授業では

テーマによってトピックスを取捨選択したり、

または主題を強調するために効果的な

内容の並べ方について検討するのである。

抽象的な課題であり

これは難しい。

並の小学校で同じ事をやろうとしたら

大混乱するだろう。

事実、先生の指示も

一時に二三の作業指示を出したりして

注意深く聞いてないと見ている僕の方が

置いてけぼりになったりする。

子供を動かすには

「一時に一事」の指示が大原則だが

ここは少々畳みかけた物言いをしても

大丈夫なのであろう。

僕だったらもう少し具体に落とし込んだ

例示なんかを手がかりに、

最低限時系列に物事を書かせることを目標に

授業をするだろう。

また、もう少しステップを細分化して、

置いてけぼりを作らないように配慮せねばならない。

最悪、

丸写しのような作文でもとりあえず最後まで

書ければ御の字。

…ぐらいに僕の掲げる対案はレベルが低いが、

これはあとのシンポジウムで僕は十分に

認識を改めることになる。

公開授業終了後はいくつかの分科会に分かれた

研究協議会があって、

僕は自分の仕事の関係もあって

ICTの会に潜入した。

場違いだった。

さっきアイパッドで授業していたのは

元慶応で教鞭をとっていた

この道ではちょっと有名な人である。

間違えて一番前の客席に座ってしまったが

隣は東京のT学園の校長閣下であった。

後ろはT大学の教授である。

全国からお客さんが来ている。

プリミティブでアドホックにギャザリング。みたいな

議論で僕もメモをとるのだけで必死だった。

申し訳ないが、

そのへんの研究会が遊びに思えてしまうくらい、

非常にレベルが高い。

それもそのはずで、ここは有名大学の叡智が

集結しているのである。

最初、授業だけ見て帰ろう。と思っていたが

衝撃のあまり

その後のシンポジウムまで出席してしまった。

有名教授が集うこちらの会は、

メタ認知クリティカルシンキングについて

深い示唆を与えられるものであった。

資料代1000円も惜しくない。

ここで学ぶ子供の気持ちがなんとなく分かった気がする。