しつこく鬼の話だが、
豚児や他の園児たちは保育園に現れた鬼に
相当やられたようで、
先生が「鬼」を持ち出すと途端に神妙になるらしい。
効果絶大である。
鬼はこういう素直な奴らは喰わない。
喰うのは前回書いたような、
言い訳がましかったり
根拠も無く偉そうな奴である。
「みんなないてた」
「嘘だろ。『みんな』の『みんな』って誰だよ」
「まるちゃんとＳＨＥちゃんと懐くん」
「その他は？」
「わからん」
「３人だけじゃないか」
……というように、豚児も根拠も無く
「みんな」なんて言葉を軽々しく使うので注意したのであるが、
「みんなシャーペンもってる」
「みんな脱税してる」
みたいに、子供はとかく「みんな」という言葉を用いて
自分の主張を過度に一般化したがる。
もっとも、子供に限らず大人でも「みんな」使いはいて、
「おたくの商品はみんな高いって言ってますよ」
みたいに、僅か数人の井戸端会議で得た結論を
恰も全世界の意志。みたいな感じで主張する人は
いままで何人も見てきたが、
こういう大人や子供に共通するのは
彼ら彼女らの住む世界の狭さである。
雑多な多様性を吟味せず捨象する「みんな」使いは
往々にして上記のような数を恃んだ物言いをする。
僕は以前にも書いたように多数派であることそれ自体は
尊重すべき事実だと思うが、それをよいことに
マイノリティを糾弾、排撃するのは単に卑怯なだけだと思うのである。
……という、
①「みんな」という一言で括れるほど人間は単純ではない。
②「みんな」と称される多数派に属する方が幸せだと思うが、
たとえ少数派でも自分が正しいと思うならそちらを選ぶべきである。
という、これは一種の気概でもあるけど
矜持として豚児には覚えていてほしいことである。
関係ないが、
昨日茨木童子について書いて、ちょっと興味が湧いたので
ちょっと調べてみたら驚く、というか
ちょっと情けない事実を知った。
茨木童子は退治された後、
「実家に戻った」
とのことであった。
