高砂に座る姿を見ていると
まるで赤の他人かと錯覚するが、
顔は自分そっくり、
愚弟の結婚式である。
不思議な感じだ。
式場のマリ
アージュはさすが
結婚式を専業としているだけあって、
演出やその他の配慮も行き届いており
ナイスな挙式&披露宴だった。
驚いたのはスタッフの数で、
並のホテルで行われる結婚式よりもかなり多い。
披露宴の会場は広かったが、
人数がそれほど多くなかったのでゆったりしている。
やはり専門というのは違う。
いいね。
ところで今回は愚弟の
祝言というよりも
豚児のデビューという大きな意味を持っていて、
僕はこの日のために随分と前から
豚児を躾けてきたのである。
豚児は花を持って行く重要な任務を帯びていた。
しかしながら初モノに弱い豚児、
初めての場所と知らない人ばかりの状況で
萎縮するのはほぼ確実、
一時退場はあってもせめて試合放棄まではせぬように、
と半ば祈る気持ちで席に着いたのだが
意外にも豚児は物珍しいのか大人しく座っていた。
朝早く家を出たのだが披露宴中盤まで着座率は8割を超えていた
(平時の着座率は3割に満たない)。
そしていよいよ豚児の出番である。
「大野豚児ちゃん」とコールされて壇上に上がった。
初めに紹介されるのである。
「お名前言えるかな?」
「・・・・・・」
「おめでとうって言ってみようか」
「・・・・・・」
スポットライトを受けた豚児は黙秘している。
促されて漸く
「おめでとう」と小声で囁いたが
会場の人たちは温かく拍手してくれた。
その後ママに連れられて無事お花を渡せたのである。
さて、今日は愚弟の為にたくさんの人が来てくれていた。
有難いことである。
今後ともよろしくおねがいいたします。