イオン化傾向
人生をやり直すなら、
高校入学の時点から始めたい。
別に、「青春をどうのこうの」とかそんな感傷的な理由ではなくて、
もう一度勉強してみたいからです。
高校時代は部活動（帰宅部）に力を入れるあまり、
肝心の授業中はいつも居眠りをこいてばっかりの本当にダメな生徒でした。
おかげで、世界史と美術以外はいつも赤点ギリギリの点数で、
何度土下座をして進級させてもらったことか。
あの頃あんなに面倒だった勉強ですが、
例えば今になって現代文の教科書を読んでみると
なかなか硬派な評論を発見したりなんかして、
意外に面白いことが分かってきました。
でももう来年で３０歳。
そんな僕のアホさ加減を今日も痛感する出来事があったのですが、
ウチのガスコンロの炎が赤い。
これって不完全燃焼？でもノズルもきれいで詰まってないし。と、
いろいろ調べたところ、取扱説明書に
「（加湿器などを使用している際）
空気中のカルシウムイオンの影響で炎が赤くなる場合がある」
とあり、
そんな馬鹿な。
確かにカエルさん加湿器はもうもうとミストを噴射しているけど、
そんなカルシウムイオンを充満させるほど水道水にカルシウムって含まれてるのかいな？
しかし、高校で炎色反応を習った覚えもあるし、
このことを開発部の人に訊いてみました。
「うん確かにカルシウムの炎色反応はオレンジっぽいし、有り得る話だね。」
加湿器のタンクに白いのがついたりするだろ、あれカルシウム。みたいな返答で
やっぱりそうか。と半信半疑しつつ納得したのですが、まずかったのがここからで、
「でもカルシウムイオンって陽イオンですよね。じゃあ僕ん家は
プラスのイオンばっかりでマイナスイオン少なそう」
という常識外れの感想を述べたからで、
「えっでも正イオンがある分だけ、負イオンも存在するよ（セットだから）」と
指摘されてようやく、中学の理科の授業まで記憶が遡られたのでした。
数年前のマイナスイオン家電の流行の後遺症で、
僕は未だに「マイナスイオンは体にいい」と信奉して止まなかったのですが、
よくよく考えてみると
負イオンだけが単体でどばどば放出されるということは有り得ず、
どっかで正イオンも同じだけ放出されているというわけであり、
じゃあ一体あのエアコンについてたりしたマイナスイオンの効果って
一体何だったんだろう？
最近はナノイーイオンとか、プラズマクラスターイオンとかにとって代わられ、
「マイナス」を冠したイオンはドライヤーを除き姿を消しつつありますが
化学を真面目に勉強しなかった僕はいまになって、
それらの仕組みを全く解せないことが残念でしょうがないのです。
