RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

ラベリング理論

心理学の本を読んでいて、 たとえば 「○○ちゃんは本が好きねえ」と言われて育った子は 本当に本を読むのが好きになるということを挙げて、 こうした「レッテル貼り」は人の性格に結構影響を及ぼすよ。みたいなことが 書いてるのに興味をもちました。 これは昔、大学の講義で習った 「ラベリング理論」で、 そんときは確か、 ぱっと見「金髪でチンピラ(苦笑)っぽい格好をしている人」を 周囲が「ロクでもない奴だ」と見なすことにより 本当にロクでもない人間になってしまう。という好ましくない例で 用いられていたと記憶しています。 犯罪社会学なんかでもよく試みられるアプローチです。 似たようなのに「ピグマリオン効果」があって、 これはたとえば学校の先生が 「こいつはデキる奴だ」と子どもを見なすことにより 本当にデキる子になる、というちょっとウソっぽい(実際いろいろな反論がある) 効果ですが、でも何となくありそうな効果です。 僕は本を読んでて慨嘆したんですが、それは、 人は思いの外自分のキャラクター、役割に忠実だ。ということです。 人から「寡黙な奴」とラベリングされている状況で、 いやオレは実は雄弁家なんだぜ。と朗朗に振る舞うのは確かに勇気の要ることです。 周りもびっくりするしね。 それよか、周りのラベリング通りに振る舞っている方が落ち着くというのも 頷ける話です。 かつて、部下の中で、 「あいつは頭が切れる奴だ」と周囲から目されている男がいて 実際にそいつは切れる男でした。 彼の生育過程において、元々切れる男だったとは思いますが、 周囲のラベリングがそれを補完、強化していったのは容易に想像がつきます。 無論、その逆で、「無能だ」と揶揄されていた男は 実際それほど無能でなかったかもしれないのですが、周囲のラベリングによって 無能である役割を引き受けざるを得なかったのかもしれません。 だから、学校の先生なんかは、子どもに 「勉強しろ」と命令する一方で 「オマエは本当に勉強が好きな奴だなあ」というようなラベリングを施すべきなのでしょう。 つくづく得だなあ。と思うのは、 ―「ハロー効果」にも関わる話ですが― 眉目秀麗な人というのは   ↓ 「聡明そうな人だなあ(という周囲からのラベリング)」   ↓ 実際に聡明な人間になる(ラベリング効果) というプラス連鎖を引き起こすこと(たぶん)で、 見た目というのはやっぱり大事なんだなあ。ということです。 人の性格にこれほど影響のあるラベリング理論ですから、 利用しない手はありません。 僕も、 「有能で、しかも紳士的な奴だ」というラベリングを施してもらいたいものです。
アウトサイダーズ—ラベリング理論とはなにか
新泉社
ハワード・S. ベッカー

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