RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

『ユリシーズ』ジェイムス・ジョイス

20世紀を代表する文学作品として挙げられることの多い、

ジェイムス・ジョイスの大著『ユリシーズ』。

僕が高校生の頃に『ダブリン市民』とかと一緒に新訳が出版されて、

ああオレ一回はこういう大作に挑戦してみたいなあ、と思いつつ

でも実際手にとって読んでみるとすこぶる難解で、

わちゃあ。こりゃ無理だ。と匙を投げていたんですが、

今日。

本屋さんで、なんとマンガ版『ユリシーズ』を発見して、びっくり。

驚きなのは、原著は何巻にもわたる長大な作品にも拘わらず、

文庫本一冊のボリュームに留めているところです。

些か暴力的な省略の仕方ですが、でもこれならオレ読める。と思って

購入しました。

直ぐに読了して、ああこういうプロットだったんだな。と

今更ながらに感心して止まないのです。

いま、『葬送』第二部を読んでいるところで、

これは引き続きショパンドラクロワが主人公なのですが、

故国ポーランドの滅亡という背景を背負ったショパンが産み出した芸術を

思い出しながら、

イギリスとの間に複雑な歴史を抱えるアイルランド(のダブリン市)が

ユリシーズ』の舞台になったことをぼんやりと考えていました。

ちなみに、ユリシーズという作品は、

くそ長い小説にも拘わらず、そのなかの出来事はすべて、一日のうちに

起こったこととされています。

その一日というのは、6月16日であるらしく。あ。もうすぐじゃん。と

ちょっとカレンダーを眺めたりもしたのでした。