20世紀を代表する文学作品として挙げられることの多い、
僕が高校生の頃に『ダブリン市民』とかと一緒に新訳が出版されて、
ああオレ一回はこういう大作に挑戦してみたいなあ、と思いつつ
でも実際手にとって読んでみるとすこぶる難解で、
わちゃあ。こりゃ無理だ。と匙を投げていたんですが、
今日。
本屋さんで、なんとマンガ版『ユリシーズ』を発見して、びっくり。
驚きなのは、原著は何巻にもわたる長大な作品にも拘わらず、
文庫本一冊のボリュームに留めているところです。
些か暴力的な省略の仕方ですが、でもこれならオレ読める。と思って
購入しました。
直ぐに読了して、ああこういうプロットだったんだな。と
今更ながらに感心して止まないのです。
いま、『葬送』第二部を読んでいるところで、
故国ポーランドの滅亡という背景を背負ったショパンが産み出した芸術を
思い出しながら、
イギリスとの間に複雑な歴史を抱えるアイルランド(のダブリン市)が
『ユリシーズ』の舞台になったことをぼんやりと考えていました。
ちなみに、ユリシーズという作品は、
くそ長い小説にも拘わらず、そのなかの出来事はすべて、一日のうちに
起こったこととされています。
その一日というのは、6月16日であるらしく。あ。もうすぐじゃん。と
ちょっとカレンダーを眺めたりもしたのでした。