(前回からの続き)
自動車保険の何が難しいかというと、
各社から販売されている商品の比較、これが当たり前のようで
相当に骨の折れる作業であります。
ちょっと分かってる人なら
「えーなんでー?ネットで『一発見積もり最大20社』みたいなサイトで
一括して見積もりをとればいいじゃん」と
ツッコミを入れるでしょうが、それで気の済む人はそれでいいと思います。
僕も実際に上記のようなサイトで数社に見積もりをとりました。
これ便利ですね。
その結果、同じ条件であるにもかかわらず最高値と最安値には
数万円もの保険料の開きがありました。
「よっしゃあ。じゃあこの一番安い○○社の保険に決まり!」と
簡単に……は
決まりませんよね。
お分かりの通り、こうした損害保険は保険料だけでなく、
いわゆる事故対応満足度とか、ロードサービスとかの付帯サービス、
こだわるならソルベンシー・マージン比率とかまで挙げればキリのないほど
軽重とりまぜた無数の条件を斟酌しなければいけません。
どの条件を重視するかもその人自身の判断に委ねられており、
また、数値で表される条件はまだしも、上記の「事故対応満足度」とかいった
ユーザーの主観に任される条件は(私見ですが)信頼性に欠ける情報も多く、
それらを取捨選択した上で総合的に勘案しなければならないという、
恐ろしく難儀な課題なのです。
付け加えて、「対人賠償」といったベーシックな保障は各社ほぼ共通ですが、
各種の特約、割引等は意外に各社で個性があり、似たような内容の特約でも
保険金の支払い条件が違ったり、割引率が異なったりして
このへんはパンフレットをよく読まないと見えてきません。
だから、一つの保険の中でどの保障を選ぶか、というのは
面倒だけれども慎重に考えればできますが、
別会社の保険同士を突き合わせて比較する、というのは
途端に難しくなるのです。
喩えるなら、
ともに正義超人であるという尺度があるから検討できますが、
まともな考察ができないのと似ています。
後者の場合、キン肉バスターとスクリューパイルドライバーの威力の違いは
検証が困難だし、「○○の方が強い」と強弁したところで、ファンの贔屓目の範疇を
免れ得ないでしょう(キン肉マンの方が圧倒的に強そうな気もしますが…)。
実際、ネットで保険に関する議論を見ていても後者のような発想は割と多く
見受けられます。
ところで、保険の勉強をしていてちょっと考えが変わったことがあって、それは、
「安心を買う」
ていうことで、
それも悪くないなあ。とちょっと大人になった気がします。