生まれて初めてインタビューを受けた。
いやあ。雑誌の対談記事とかに載るのが憧れで、
自分がインタビューされる側になるのなら尚更、
それを夢見ていままで文筆活動に精を……(ウソ)と
まあそれは本当の気持ちなんだけれども、
人生初のインタビューは社内報に載るだけのローカルなやつで、
しかも僕だけ独占じゃなくてことしの新入社員全員が対象とのことで、
ひらたく言えばアンケートの類です。
だからまあ、
「ポストモダニズムから9.11を経て、現代の文学的状況についてどう考えられますか」
とか踏み込んだ質問は皆無で、単に
「今年を振り返って何か一言」という感じのテーマだったんですが…
……まあ、単独インタビューの夢は置いとこう。
でもわざわざ社内報作成のために本社から担当の人がウチの支店まで
来てくれて、年末で忙しいのにわりいなあ、なんて恐縮しつつご挨拶。
気合いが入っていた割には受け答えはなんともグダグダで、素人全開の
だらしないインタビューになってしまい大変反省しています。
以下。
―商社に入って半年あまり。何か印象に残ったことは?
「うーん。ええと。あんまりないというか、毎日平穏で…。ぁでも、
経理は初めてなので、そうそう、初めて見る言葉ばっかりで困りましたよ。
書類見てて、ピーエルって今年甲子園に出ましたっけ。て聞いたら上司に
『馬鹿。損益計算書のことだ』ってえらく叱られましたね」
―(苦笑)いろいろな顧客も増えたと思いますが、そうした方々との関わりは…
「あ、僕、総務の一般職ですから。あんまお客さんと喋ったことないです。
でもやっぱ営業の人は偉いですね。こないだアラ石、えとアラビア石油の現地法人の人が
来て、うわどうしようと思って私わたわたしてたら、バッチリ対応してくれましたもんね」
―これから、どんな商社マンになりたいですか。
「あー僕一般職ですから。正直でかい取引とかと無縁で、どっちかっていうと地味な、
ちまちま電卓をはじくような仕事ばっかりなんですけど、そんなんでもよくミスするんで
そういう基本的な部分をちゃんとやりたいです。こないだも、伝票に桁3つずれて入力
しちゃって、大目玉くらいましたよ。あっはっは。そういうの気をつけたいです」
……グダグダだ……これが社内報に載るんだから、情けないやら。