突然社長に
「今日近くの○○小学校で大々的な発表会があるらしい。
そこでプレゼン用の最新機器が登場するそうだからオマエ、
偵察してこい」と、
なぜ僕がヒマなのか分かったんだろう、と
フリーセルを終了しながら訝ったのですが、
メンドクセエ。寒いし。という心の声をしまいこんで社長の命令は絶対服従、
「ラジャー。最新の機器についてバッチリリサーチしてきますよ」と
意気揚々なフリをしてVOXに跨ったのでした。
僕は以前小学校に勤めていたことがあるので、
授業を参観するなんて何年ぶりかしら。とちょっとノスタルジーに浸りながら
向かうこと20分。
小学校なんかで大きな研究発表会なんかがあると、先生はもちろんのこと、
PTAの役員さんとかまで動員する、大変な準備が要ります。
卒業式よろしく体育館にシートを敷いたり、運動場に駐車ラインを引き、
街頭で「○○小学校はこちら→」みたいな看板を持って立ったり。
今日のもそんな感じで、心の中で「ご苦労様」と唱えつつ会場へ。
授業は普通教室で行うのではなく、客が詰めかけるためか
体育館に机を並べてやるという形式でした。
これはかなり大がかりな研究発表会でないとやらないスタイルなので、
ちょっと驚き。子どもが慣れないというだけでなく、壁がないので
先生の声が散ってしまい、やればわかりますが授業は恐ろしく大変になります。
そんな授業にはその学校のエースを投入するものですが、
今回はまだたぶん僕より年下、キレイな女性の先生で、
さすがエースだけあって堂々とされてました。
100人以上観客がいる中、立派です。僕だったらあんなん無理です。
さて、社長のいう「最新機器」というのは、僕はよく知っているのですが
プレゼンなんかでよく使うプロジェクタで映像をスクリーンではなく
タッチパッドのようなものに投影して、画面を素手で操作する、といった
代物です。これは実際に見れば分かりますが大変便利なもので、
なにしろパソコンのキーボード操作とかナシで、普通の黒板に字を書く感じで
スクリーンに字が書けるんだから子どもは大喜びです。
そんなのを社長を目にして、「ウチにもあれを検討しろ」となったのでしょう。
僕も小学校に勤めてた頃は自前でも欲しかったくらいです。
しかし、これには大きな落とし穴があって、致命的といってもいい欠陥なんですが、
準備に時間と手間と空間、3つも間が掛かりすぎることです、
なにしろ、スクリーン、プロジェクタ、パソコン、教室ならばスピーカーも、といった具合の
機器と配線でメチャクチャになり、それを運んで設定して使えるようにするには
30分はかかります。
それに、申し訳ないのですが操作は簡単でも設定は決して容易ではなく、
比較的職場でもパソコン操作を教える側の僕ですらやっとのことで設置するくらいなのですから、
僕なんかに教わるくらいの方が使いこなすのは至難の業です。
だから、社長にはやっぱり購入を見送るよう進言したいです。 (つづく)