RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

エコロジスト#2

学生時代に読んで以来ひさしぶりに

坂口安吾堕落論』を引っ張り出してきたんだけれども、

10代の頃分からんかったことも、年輪を重ねたいまになって

分かるようになったこともあって驚くこともしばしば。

今日は会社で、

いわゆる「経費節減」ていうことがテーマの研修を受けてきました。

僕は総務課の人間なので、営業とかの人に

「コピー用紙節約してくださーい」と注意する側の者なんですが、

ホント紙代も馬鹿になりません。

しかしながら、僕はあんまり「経費節減」とかいうスローガンは好きではありません。

今日の講義は以下に述べるような野暮な話ではなく、クレバーで

納得できるものだったので別物ですが、

一般的に「節約」なんてモットーを掲げ、

「あっちのスーパーの方が白菜が30円安い」などと

何円何十円の世界に血道をあげる人に限って、

「この保険は月8400円らしいけれども、800円のあの特約もつけておいた方が安心よね」

などと、何千何万円に頓着しなかったりします。

何円何十円の世界には人を惑わす魅力があります。

何円何十円の世界で損をしても、何千何万円の世界で取り戻せばいいと思う。

目先の損得に惑わされずにいたい。

それともう一つ、

クレバーな「経費節減」でなく、野暮な「経費節減」というのがあって(オレ命名)、

後者はどういうことかというと、

「欲シガリマセン勝ツマデハ」的な根性論がベースにある発想で、

一般的に「吝嗇」とか「しみったれた」と形容されるものです。

根性論を全て否定するわけではありませんが、

ただ我慢をして耐え続けるだけでは、そこから何らの進歩も生まれません。

そうではなくて、貧乏とか予算削減、でも紙はいる。とかいう状況から目を背け、

身を削り我慢するのではなく

いかに工夫して乗り切っていくかで人間、進歩していくものではあるまいか?

水道代が高いと嘆き、お風呂の水を半分にして耐えるのは、

果たしてベストな解決策だろうか?

……とか色々考えていたんですが、

堕落論』はこういうことを言ってたのかな。と話を聞きながら

独り合点していました。