野球ファンの私は、
好きな野球選手を訊かれるともちろん何人も挙げられるけれども、
ほとんどはファンであるオリックスだったり元近鉄バファローズの選手だったりしますが、
千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介投手は例外的に気になる選手の一人です。
この人はかつてのWBCでの快投が印象深いですね。
あの地面すれすれのアンダースローに衝撃を受けて以来、
この人が登板しているとちょっとチェックするようになりました。
腕のしなるようなフォームとか、投げたボールの独特の軌道とか。
で、またブックオフシリーズなんだけれども、この渡辺投手の著書『アンダースロー論』を
ブックオフで購入したので、興味深く拝読しました。
『投げるときは(実は)手首が上になる』といった技術論も唸りましたが、
印象深かったのが、ルーキー時代の苦悩であるとか、
中継ぎで登板していた頃の回想でした。
野球の中継ぎ投手というのはホント損な役回りだと思うのですが、
大差で勝ってて先発エース温存のために回の先頭から登板する場合なんかを除いて、
大概は7回らへんに先発投手がもたなくなってきてワンアウト満塁とかのピンチになって
首が回らなくなって仕方なく二番手登場。というケースです。
で、そこで打たれでもしたら「○○被弾」とかなって、自責点とかはともかく
ピンチを招いた先発よりもファンからは責められかねません。
そういう立場にある中継ぎピッチャーですが、
本人の素直な心情吐露に同情するくだりもありました。
まあ、以上のはこの本の本題とは離れるのですが、
オーバースローという常識のなかで
あえて異端であるアンダースローで生き抜こうとする著者に
思わず応援を送りたくなる一冊でした。