RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

持たざる者

今週は夏期休暇を終えていきなりトップギアに入ったかのように

仕事が押し寄せて、土曜を返上してまで残務を整理してきました。

山のような、いや本当に山になってるデスクの書類。

朝から晩まで狂ったように処理し続けてやっと帰宅しました。

肩イテー。肘イテー。腰もイテー。でも。

ぼんやりとあることを考えていたんですが、

案外自分はこういう地味な作業に耐えうる人間なのではと。

(雑ではありますが)こうした事務処理に関しては社内でも

割と早い方で、定型の書類作成とか文書処理とか、

力を発揮できるのはそういう地味な分野の気がします。

しかし、残念ながらうちらの職種は、そうした事務作業の耐性より寧ろ、

職人ワザ的な勘であり閃きなり創造的な才能なりが要求され

評価されるところですので、いまひとつ上記のような自分の得意分野を

生かし切れていない感がずっと―就職してから―しています。

いや、別に「自分には事務の『能力』がある」と自慢したいわけでなく、

天賦の才能に恵まれなくても、せめて地道にキーボードを叩くことぐらいは

できる、という意味です。

優れた才能を持つ人は、地道な作業も厭わない人が殆どですから……。

自分もかつては「何かの才能があるに違いない」と期待して

文学なり哲学なりにどっぷり漬かっていましたが、いずれも見切りをつけて

結局「地道なことなら我慢できる」というところに着地しました。

これが就職講座なんかでよく言われる「自己分析」というものなのでしょう。

そもそもいまの職種はもちろん地道な事務作業は必要ですが、それ以上に、

柔軟な対応を必要とする対人業務がメインのところで、

ある種のクリエイティビティを持たざる者にとっては、相当に不釣り合いな場所です。

来週からも仕事、がんばろう。

今日の一冊 ハンナ・アーレント著『人間の条件』