RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

素晴らしきかな

引っ越し準備もいよいよ大詰めで、

疲労もピークなんだけれどもこの人たちのことは

書き留めておかねばなるまい…!

普通、入居の時って隣の方とかに挨拶に行ったりするけど、

普通はあまりしない退去のあいさつ、を一軒、しに行きました。

なんでわざわざお宅を訪れてさいならを言ったかというと、

ここのお家の方がいたく親切な方で、ここに住んだ二年間

ずっとお世話になりっぱなしだったからです。

身一つで転がり込んできた私に、自治会のお誘いをしに来てくださったのが

最初だったんですが、

「お忙しいでしょうから、ゴミ当番とかはうちでやらせてもらいますので」

「イヤ悪いッスよ」

……とか言いつつ、結局ゴミ当番は全て任せっきりになってしまいました。

その他自治会の仕事を全部引き受けてくださり、しょうもない回覧の一つひとつまで

「すみませんがサインをお願いします」と丁重な添え書き付きで回してくださったり。

で、うちらよりちょっと前に、こちらのお宅でも

女児を出産されたらしく、階斜め下からの泣き声になんとなく

気にはなっていたんですが、今日うかがって

「うちも前に生まれてねえ。いっしょに遊べると思ったのに残念」

「ほんと、なかよくしてもらえたらと思ってたんですが」

「これから大変ですね。がんばってください」

……と励ましてもらいました。

で、今回引っ越す先は元々女性が一人で住まわれていた物件なんですが

(3LDKを独り占めなんてなんとも豪儀な話)、

築年数の浅さはもちろん、この方が非常に丁寧に住まわれていたことが

ありありと分かる部屋です。

汚れやすい玄関フロアにフィルムを貼ったり、電灯のスイッチは未だ

新築当時の保護フィルムが残っていたり。

そういう方のあとに住まわせていただくだけでもラッキー、いや

有り難いのですが、私を唸らせたのはそれからです。

なんともメチャクチャ親切な人で、ベリーカインドネスな方で、

入居にあたって

「あのリビングのエアコン置いてってくださいよ」なんて

不躾なお願いをしたら、快諾してもらえたうえ

「いいんですか、あんなのおいてって」って、

人気機種にもかかわらずこの謙虚さ。

調子に乗って「あれも置いてって。これもほしい」という

当方のホント無礼な申し出に対しても、

「そんなの悪いですよ」って、まるで立場が逆転したような

腰の低さ。

自分もそんなに尊大な方でない(と思う)ですが、

この人の謙虚さにはビックリしました。

引っ越しを済まされたあとに、空っぽになった部屋を内覧させて

もらったところ、置き手紙が。

「Rさん Eさんのような素敵な夫婦に住んでいただけてうれしいです」

から始まり、

部屋の備品の使い方とかマンションのしきたりとか諸々が

A42枚にわたって丁寧に綴られていました。

「~ですみません」とか、「~で申し訳ないです」とか、

いやそれ全然すみませんとかいう範疇じゃないですよ!と突っ込みたくなる

腰の低さ。

さらに、引き継ぎ資料?として、分厚いクリアファイルを開いたらなんと、

管理組合から配られた過去のお知らせなんかがびっしりとファイリングしてあって。

「バルコニーでの布団干し禁止」なんていう些細なお知らせまで

きっちりと綴じられていました。

自分もこんな長文を書くくらいだから、仕事でもわりとマメな方(だと思う)ですが、

この人の芸の細かさにはほとほと感嘆しました。