最新刊のコミックス6巻の話。詳細な説明は省きますが、
父親の「完全クローン」という子が、自分の出生の秘密を知って…というところから
始まります。
その子は、父親が36才でガンで亡くなっていたことを知り、
自分も同じ途を辿るのでは…と悲観し途方に暮れるのですが、
父親をよく知る人物から、「そのガンは遺伝的なものではない(後天的)」との
見解を得て、希望を取り戻す…みたいなストーリーです。
「この目で確かめたかったんじゃ 君が自分の力で全てを乗り越える力を持った
人間かどうか……をな」と、登場した理由を上記の人物は言ってのける訳ですが、
さすがに「自分は36才で死ぬ」なんて運命は、容易く乗り越えられるもんじゃ
ないだろう?とマンガにツッコンでしまいました。
まあ、クローンなんて空想上の話ですし、私たちが親から受け継ぐ遺伝的素因は
不確定要素に塗れている分、私たちは楽観的に暮らしていける面があります。
もし、将来的にDNAの解析が完全に終了して、それこそ自分は人生で
何年生きられて、どういう疾患をするのかなんて完璧に分かるような事態になったら、
一体どれだけの人が自分の運命を受け容れられるのでしょうか?
さて、またベイビーの話ですが、まさに遺伝は不確定要素が多いとはいえ、
ある程度予測がつくシロモノでもあり、家族で話題が絶えません。
ウチは女の子なので、パパ(自分)に似るやろう~という話をずっとしていたのですが、
これには理由があるそうです。
男性はXY染色体、女性はXX染色体というのは学校で習いましたよね。
で、ここからがミソなんですが、女性のXXのうち一方は働きが弱いらしく、
仮にそれを x と表記しましょう(だから女性の染色体はXx)。
また、男性のYも働きは弱く、y と表記してみます(だから男性はXy)。
これに従うと、もし男の子が生まれたら染色体は「Xy」と、母親由来の
X遺伝子が強く出る可能性が高くなります。
だから、男の子は母親似の場合が多いんですね。
反対に、女の子が生まれる場合、母親から受け継ぐ遺伝子は
強い「X」・弱い「x」どちらかは分かりませんが、父親からは確実に強い「X」を
受け継ぐため、やはり父親似となる公算が大な訳です。
これが運命の片鱗か。
次回以降、優性・劣性遺伝についても書きたいと思います。
平野啓一郎氏のブログを後追いして…↓