6月20日に、河村隆一NEWアルバム「ORANGE」が発売されます。
3年ぶりかになるオリジナルアルバムのリリースに、楽しみで仕方がありません。
97年ごろのこの人のブレイクぶりはそれはそれは凄いものがありましたが、
ここ数年はそこそこ地道に音楽活動を続けています。
ルナシーの頃からの大ファンである私ですが、隆一のソロワークスにはまた
ルナシーとは違った魅力を感じます(大概、往年のルナシーファンに聞くと
「RYUICHIはちょっと……」という渋い顔をされますが)。
昨年、往年のヒット歌謡曲?をカバーしたアルバム「evergreen」を発表した
隆一ですが、それなんかを聴いても分かるとおり、彼の音楽性には
そうした歌謡曲との親和性が随所にみられます(コード進行なんかも)。
私自身、フォークソングであったりニューミュージックであったりそのへんの時代を
リアルタイムで過ごしていないで詳しくは分からないのですが、
それらの音楽が共通してもつ日本的な情感というか、そんなものが好きです。
河村隆一の楽曲を、もし荒井由美であったりイルカであったりが歌うということが
あるならば、きっと違和感なく楽曲として成り立つと思うのです。
私が思うに、昭和と平成、あるいは80年代以前と90年代以降という括りでみると、
その間には音楽の歴史でも重大な隔たりがあるような気がします。
女性ポップスというジャンルに焦点を当ててみると、80年代の代表的存在とも言える
レベッカから、90年代にかけてのプリンセス・プリンセスまたはリンドバーグといった
比較ができます。先日亡くなられた、ZARDは「ビーイング系」として90年代に一つの
ジャンルを築き上げましたが、90年代を象徴するアーティストと言えるでしょう。
前者(80年代)と後者(90年代)の作風の違いを、そのまま社会背景といったものに
重ね合わせるのは些か乱暴かも知れませんが、少なくともバブル崩壊という事件は
文化的にも影を落としているように思います。
どちらがすぐれているというわけではなく(当然、音楽表現の種々の技法は90年代の
方が進化していますが)、ただ80年代以前にノスタルジーを覚える私にとって、
河村隆一のソロワークスはそれらを思い起こさせてくれるものになっています。