「働けど働けど、我が暮らし楽にならざり、ぢっと手を見る」
言うまでもなく、石川啄木の有名な句です。
なんか最近脳裏によくこの句が過ぎるようになって、
なんでかなあと考えると、巷でよく「ワーキング・プア」という言葉を
耳にするようになったからかなあと考えました。
この前のエントリでも、再チャレンジ試験について書いたりして
労働事情に関心をもつ今日この頃。
テレビで、あのう、この人の月収を当てるやつ…、なんて番組だったっけ?
それなんかで、自分とあんまり年齢も変わらないような人が月収「50万」!
なんて出ると、うわ俺の何倍だよと妬んでみたりもするんですが、
「格差社会」というのはあながちイメージだけではないのかもしれないなあ
なんて考えたりもします。
私も一応正社員として出社している身ですが、給料は就職当初に比べて
上がるどころかむしろ下がる一方。
産業構造の変化は、私のような平凡な勤め人には恩恵を与えるどころか
足を引っ張る方向に働いて、逆に、
一部の才能のある人には今まで以上に収入がもたらされる、
というふうに影響しているのでは……
ところで、石川啄木という人は、あの純粋そうな肖像写真から誤解されることも
多いのですが(自分もしていた)、実は芸者遊びに狂い遊廓に通い詰める、
といった性向の持ち主だったそうで、なんかそんな事実を知ると
数々の名句もなんとなく興醒めしてしまいますが……
野口英世もそうですが、伝記になるような偉人のなかには、
通俗的なイメージを随分と裏切る人もいます。まあ、そんなのを知って
人間の多面的な奥深さを学ぶことも勉強かもしれません。