ここ一週間、咳が止まらなくて咳き込むたびに一人ごちた
「咳をしても一人」
言うまでもなく俳人・尾崎放哉の代表句です。
私は別に結核ではないのですが、仕事をしていても
咳が辛かったです。
前にちょっとだけ種田山頭火について触れましたが、
同じ自由律俳句でも、こちらは
「分け入つても分け入つても青い山」
などのように、なんとなく元気な印象の句が多いです。
私は断然、暗い放哉の句の方が好きなのですが……
このポジとネガの違いは、どこかの本でも述べられていましたが
同じ漂泊の俳人でも山頭火が身体が健康で友達も多かったのに対し、
放哉は病気その他が人生に暗い影を落とし、孤独のなかに
人生を了えた、そんな違いから生まれているようです。
耳鼻科でもらった咳止めシロップのおかげで咳は止まったのですが、
つくづく身体は大切にしなければいけません。
……
春の山の後ろから煙が出だした(辞世の句)