RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

自力救済(3)

「君の代わりはいくらでもいるんだよ」

というのは会社によっては本当によく使われる台詞なのかもしれないが、

人材を軽視する思想・考え方を代表する発言としてよく引用される。

ところが、現時点で僕は

「君の代わりはいくらでもいるんだよ」と言って貰えたら

どんだけ楽だろうか。と思っているのであって、これは

偏に僕しかできない僕固有の責務があまりに多すぎるからである。

会社でハチが巣を作ったときに上記の台詞を言って貰えたら

僕もあんな目に遭わずに済んだのである。

毎週末、誰かが僕にこの台詞を吐いてくれるならば

家族を置いて喜んで飲みに出かけるだろう。

個人というのはインディヴィジュアル。と言うだけあって

不可分なものであり、分割もできないし代替も効かない。

尊重されるべき個人。というのが僕にはプレッシャーでしかなく、

予測不能な未来にあっても安穏に存立できるか。というのが

不安で仕方がない。

という話を誰かにしても誰も共感はしてくれない。

僕は常々、パーマンで出てくるコピーロボットがあればよいのに。と

個人の分割もしくは代替を可能にすべきだ。と提唱しているのだが、

今のところそういう分野での研究は進んでいないようである。

コピーロボットさえあれば、

夏バテで動けない時に代わりに会社に行って貰うこともできる。

豚二が熱を出した時、飲み会をキャンセルせずとも済むだろう。

無論、そうなると危惧されるのはコピーロボットの奴隷化であるが、

これは個人の完全なコピーであるから、つまり対等、

そんな一方的な関係になることは考えにくい。

という話をしても誰も共感しないのは、

そもそもみんながコピーロボットを必要としていないからで、

じゃあなぜ必要としていないかというと

自分(やコピー)以外に信頼できる個人が身の周りにいるからである。

だから、個人の存立の危機的な状況に遭っても、

信頼できる他人がある程度個人の機能を分割、もしくは

代替してくれるシステムになっている。

翻って僕は、信頼できる人間関係を構築する。という努力を

今まで怠ってきたためにありもしないコピーロボットなんかを夢想するのであって、

実に残念なことである。

それでもコピーロボットは、欲しい。