RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

健康で文化的な最低限度の生活

先般、生活保護制度についての問題がいろいろ取り沙汰されたこともあって、

僕も少しく考えることがあった。

生活保護とは言うまでもなく、

憲法25条で謳われている「生存権」を具現化したものであるが、

そこに記されている「健康で文化的な最低限度の生活」というのは

具体的にどの程度の生活なのか。というのは

生活保護論争でも度々焦点となる。

これを考えるには、

生活保護に定められている「月間基準額」が参考になるだろう。

要は、(全く無収入の場合)生活保護で支給される金額であるが、

例えば大阪府都市部在住、30代の夫婦と5さいと1さいの子供の家庭である

R(僕)一家の場合、

月間基準額は182,950円である。

つまり、この一家四人の「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するには、

182,950円必要である、と法律は想定しているのだ。

ちなみに僕の手取りは19万円。

生活保護の月間基準額をわずかに上回る程度である。

もちろん、月間基準額を下回ったからといってすぐに生活保護の支給対象に

なるわけではないが。

これを試算してみると、

「健康で文化的な最低限度の生活」が、大体イメージできる。

18万円あれば、飲みに行ったりする余裕はないが、

贅沢さえしなければ四人、暮らしていけそうだし

鍋の底を舐めて暮らす。ほどの貧困にまでは陥らないだろう。

一方、そんな試算をしていると

朝から晩まで働いても「最低限度」の生活しかできない僕の境遇が

急に疎ましく感じられる。

実際のところ、日本の給与体系というのは望ましい生活水準に

見合っているのだろうか。

例えば、上記の僕が独り身であった場合、

生活保護の月間基準額は83,700円である。

一方、大阪府最低賃金は786円。

労働基準法通り、一日8時間・月間22日働いたとして

138,336円の収入が見込まれる。

ここから国民年金15,020円や

国民健康保険料もたぶん1万ちょっとの支出となり、

所得税や住民税の負担を考慮すると

なるほど、生活保護の月間基準に近くなってくる。

ちなみに上記の僕が妻との二人暮らしであった場合は、

生活保護の月間基準額は128,610円となり、

最低賃金というのはやっぱり自分ひとりの健康で文化的な生活しか

保障できないということが分かる。

以上の考察から、つまり何を考えたのかというと

僕が自分を含めて一家四人を養うというのは

やっぱりギリギリのラインなのであって、

贅沢はしてはならないということであった。

ここ半年以上、私的に飲みに行ったりもしていない。

生活に必要のない本やCDも買っていない。

それらの境遇を呪っていたが、

当然といえば当然ということが良く分かった。