RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

ご当地ヒーロー

超神ネイガー」や

琉神マブヤー」など

近年、ローカルな地域を舞台に活躍する

「ご当地ヒーロー」の人気が高まっていると聞く。

中には手作り感満載のチープなモノから、

上記のように、そこそこ予算をかけて

かなりの完成度を誇るものもある。

こんな話を聞いていると、わが街を守るヒーローよ来たれ。

となるのが人情だが(僕だけだろうか?)、

僕は既に電車の待ち時間やパンツの裾直しの待ち時間等を

利用して、ご当地ヒーロー

北摂戦隊イバレンジャー」の構想を固めつつある。

設定にあたっては、悪役の方が先に固まった。

テーマは「大人になりきれなかった大人」で、

学歴コンプレックスと義務教育へのルサンチマンを抱えつつ、

先物取引アフィリエイトの収入だけで細々と生きる30代。の男性。が

黒薔薇団首領ブラックローズと称して電車に落書きをしたり

ゴミ出しの日を無視したりという市民生活を脅かす悪行を重ねる。

というのが主な設定である。

ディテールにはヴィジュアル系の意匠を多用し、

黒く、悪そうな感じを前面に出していく。

でも美形。かつ、例えば「本屋さんで平積みの本が崩れていたらそっと直す」

みたいな良心も少しだけ残しておいて、多面的な悪役像を描き

例えば名作アニメ、ガンダムに出てくるシャーという人のように

主役を上回る人気が出るほどの魅力的なキャラクターを作りたい。

ブラックローズは元々頭脳明晰、優れた人格で将来を嘱望される少年であったが

高校時代のある事件がきっかけとなって以降、悪のロードを突き進むことになった。

勉強一筋で見事公立トップ校に入学したローズだが、高校になってようやく

遅い思春期を迎え、髪の毛をちょっとワックスでハネさせたり、

人並みに異性を思慕したりしていた。

偏差値70位の旧帝大を目指していた彼にとって、異性に対する目標も同様に高く、

少々問題のある表現だが人気偏差値というものがあれば恐らく70位の、

物好きな男子がよくやる人気投票ではトップ3に入るクラスメート、ユウカさんに

恋をしてしまったのであった。

しかし、彼は残念ながら恋愛偏差値というのがもしあれば30程度でしかない、

異性としての魅力やスキルに乏しい男であり、

突然「オレと交際しませんか」とストレート直球を投げた彼は

「(笑)」と言葉による回答すら得られず

満場一致で相手にされることはなかった。

代わりにユウカさんといかにも高校生らしく手を繋いで通学路を歩いていたのが

期末テストもワースト50位くらい、卓球部では準レギュラー扱いくらいの

凡庸な男「ケンタ」であった。

ケンタの大金星には男子全員が嫉妬したが、

中でも人格が歪むまでの異常な憎悪を見せたのがローズであった。

初めてローズがぶち当たった「社会の不条理」となったその失恋以降、

いままで彼を支えていた「勉強」は放棄され成績もみるみる下降、

目標としていた旧帝大にはもちろん入学できなかった。

レゾンデートルを見失った18の春。

とぼとぼと肩を落として歩いていた彼が通りかかった地元の中学校、

その周りに特攻服を羽織った集団が改造バイクで列をなしていた。

丁度卒業式の開催中であった。

変形学ランを羽織った柄のよろしくない生徒が

大手を振って闊歩していた。

いつもそうだった。

先生は僕らに厳しく、ヤンキーに甘かった。

生徒はヤンキーに媚び、自分には敬服しなかった。

間違った悟りを得たその日、

彼は空になったお茶のペットボトルを

「ビン・カン」と書いてある駅のダストボックスに捨てた。

ここから彼のブラックローズとしての日々が始まったのである。

ありがちな、ていうか本当にこんな人がいるのだろうか、と思うような

「勉強しか知らない人間が恋愛や就職で挫折した」という

紋切り型の転落ストーリーであるが、こういう分かりやすい設定の方が

視聴者の共感を呼ぶのではないだろうか。

一方、ヒーローの構想であるが、

こちらは、黒薔薇団の跳梁跋扈に業を煮やした行政や地元商工会が

第三セクターで戦隊を設立、

求人広告を地元タウン誌に載せたところ予想を上回る老若男女

35人の応募があってそこからオーディションで選抜された

若者5人。というのが基本設定である。

ヒーローの設定にあたっては・・・と

続きをいくらでも書きたいがこんなことをしていては

ビジネス能力検定の勉強が出来ない。またにしよう。