RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

保育園の運動会

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「あのう、有休もらってもいいですか」

「なんだこのクソ忙しい時期に」

「なぜかほいくえんの運動会が平日なんです」

「理由はどうであれ席は保障せんからな」

この9月ほど自分のデスクが危うく感じられた月はない。

月の半分ほどしか出社していないからだ。

ほいくえんの運動会が平日開催であっても、

まあ妻が観に行ってくれればいいや。と考えていたのだが

今回、「親子競技」がプログラムに入っており、

妻が豚二の面倒見と親子競技出場を同時にすることが不可能なので

僕もやむなく有休を行使して運動会に参上した次第である。

会社の人らに迷惑をかけてまで参戦した親子競技である。

ヘタな真似はできない。

まあ、運動会の親子競技なんて狭義の競技ではなく

広義のお遊びだろ。という向きが大半かもしれず実際

僕もそう軽く考えていたけれども、

豚児にも普段から何事に於いても

「真剣にやれ」と

厳命していることもあるし、

正直に言うと相手がトップアスリートなら僕も

ムックの仮装でふざけて走るくらいの手抜きをするけれども、

出場するのは恐らく大半がママだろうし、

本気でやれば勝てそうな気がし、ここはひとつ本気で。と

並々ならぬ気合いを入れて臨んだ。

大人の凄さを園児らにも思い知らせてやらねばならない。

とはいえ、運動会に出場する。というのは

高校生以来、10数年ぶりのことであり

いやがうえにも緊張は高まった。

親子競技の詳細は、

親が子をおんぶでダッシュ、途中からタイヤに子をのせて親が引く。

タイヤから下ろした後は親子手をつないでダッシュ。というのを

リレー方式で争い、3チームの中から優勝を決める。というものであった。

号砲が鳴り、第1走者がスタートした。

僕らは第4走者。こんな緊張感は久しぶりである。

おんぶでダッシュ。は純粋に僕の脚力次第なのでどうにでもなる。

タイヤ引きについては、豚児がずり落ちない程度の加速とスピードで

コーナーを回ればよい。

最後のダッシュは、豚児の手を引くフリをしてちょっと強引に引っ張ろう。

・・・そう戦略を立てて豚児をおぶった。

第3走者が帰ってきてタッチ。

僕は猛然とダッシュ、4歩くらいでタイヤに到着した。

これはかなり速い方ではないか?

もたつく豚児の手をタイヤに捕まらせ、

勢いよくロープを引いた。

あれ。

思いの外、重い。

予想外のタイヤの摩擦係数の大きさに戸惑い、

瞬時に作戦変更、全力でタイヤを引いたがメチャクチャ重い。

「だらあ。タイヤ舐めんなよ!」

最後はふらふらになって豚児とダッシュ、次の走者と交代した。

タイヤを引くのは20年ぶり、少年野球でやらされて以来である。

そういえば確かにあの時もヘドを吐きながらやっていたのを忘れていた。

迂闊だった。タイヤを舐めていた。

自分自身の準備不足を深く反省、

来年は準備を怠るまい。と固く心に誓った。

その後、豚児はかけっこで一等賞をおさめた。

月齢が早い(6月)というのは本当に大きなアドバンテージだ。

有難いことである。