４月に豚二が生まれたばかりだが、
また新しい家族がやってきた。
ハードロックカフェ横浜店のくま。である。
これを運んできたのはコウノトリ。ではなく、
阪急沿線を股にかける不動産王、Ｔくんであった。
「○○駅から××駅までの間は全部、オレの庭だぜ」と
これはまさか所有しているのではなく単に商圏という意味だろうけど、
この不況の中にあってしぶとく中古マンションとか工場跡地なんかを
支店トップで売り上げているＴくんである。
先だってＴくんは、
「横浜にナイスな競売物件が落ちてたから、拾いに行く」と言っていた。
なぜ阪急沿線ではなく、関東は横浜なのかというと
さすがにＴくんの手腕をもってしても関西の地価の下落には勝てず、
土地を売り買いしても利幅が小さいので「オモンナくなってきた」かららしい。
その点横浜は今現在も不動産業界は活況で、
齢３０のメモリアルイヤーを迎える彼としてはここらでちょっと人生の転機、
見ず知らずの首都圏に身を投じてみよう。と思い立ったらしい。
「競売物件とか、危ないスジの人が絡んでるかもしれないから気をつけてね」
僕はまあ、不動産の仕入れにも興味はあったけれども、
横浜と聞いて真っ先に脳裏を過ぎったのが
上記のくま。であった。
僕は日本国内のハードロックカフェを行脚し、ドラゴンボールよろしく
くま。を蒐集することを人生の目的の一つにしている。
現在、国内では
大阪本町店、ユニバーサルシティウォーク店、東京店、名古屋店の４頭を
所有しており、海外からも
サイパン店、ソウル店の２頭が外国籍くまとして我が家で暮らしている。
あと、
成田（空港）店、
上野駅店、
福岡店、
そして横浜店の４頭が僕ん家への来訪を待っていたわけで、
Ｔくんが「横浜」と言った瞬間、僕にはくましか考えられなかった。
そんなある日（昨日）、
Ｔくんからなぜかキティ切手が全面に貼られた
何だろ？と豚児と不思議そうに開封したらなんと。
横浜くまがこんにちは。
衝撃であった。
彼は僕が
「横浜といえばくま。だよなあ」と
不用意に漏らした一言を聞き逃さず、
それだけのヒントからハードロックカフェ横浜店を探し出し、
その中で一番男前のくまを買ってきてくれたのだった。
港町らしくネイビーの制服に身を包んでいる。
およそＴシャツを羽織っただけの他店とは段違いに高級である。
しかもなぜか和太鼓を担いでいる。この意味はまだ分からないが
きっとお祭りかなんかをイメージしているのだろう。
僕も含め豚児も大喜びであった。
「コロちゃん（愛称）がふえたー」
果たして横浜くまは一夜にして我が家の人気者になり、
他のくまたちからも拍手喝采和気藹々、
歓迎の宴は夜遅くまで続いた。
僕が朝目覚めたらまだ太鼓を担いで立っていた。
これからもこの新しい家族と共に暮らしていこう。
