RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

普通救命講習Ⅱ

モテる男性の職業は何か。

というと、

まあ医師や弁護士は特殊な部類に入るけれども、

馴染みのあるところでいうと

消防士らしい。

間違っても一般事務ではないが。

一ヶ月前のマンション消防訓練の時も思ったが

来てくれた消防士の人はイケメンだったし、

制服と相俟って確かに格好よかった。

これは消防署の人がイメージアップのために

イケメンばかり採用しているというよりはむしろ、

その職責の重さに自然と顔つきも精悍になると考えるのが

自然だろう。

扱っているモノが違う。

彼らが扱っているのは人の命である。

数百円の消耗品の仕入れに汲々としている僕が

いつまで経ってもへらへらしているのとは大違いだ。

そんなことを考えていたらタイミングが良いというか、

会社の方針(よく分からない方針だが)で、

普通救命講習Ⅱを受講することになった。

「えっ『Ⅱ』って何?毎年やってるレサシアンとAEDの講習じゃないの?」

よく会社とかあるいは消防署で市民向けにされてる上記のような講習は

大体「Ⅰ」である。

「Ⅱ」は「Ⅰ」の内容に加え、実技と筆記の「試験」がある。

ようしやってやる。僕も消防士の人みたいになるんだ。

早速高槻市消防本部に問い合わせ。

・・・しかし、ここでは普通救命講習Ⅱを定例では行っていないようだった。

どうやらかなりマニアックな講習らしい。

近隣の市町村の消防署にも問い合わせたが、

同様に講習の開催自体なかったり、

あっても対象をその市在住在勤に限ったりして僕は受講できない。

「いいですよ」

やっと僕のヤル気を受け入れてくれたのはI市消防本部。

原付ではるばる20数キロ。

暑い中くたくたで辿り着いた僕を

やっぱりここもそうだ、イケメンの消防士の人が迎えてくれた。

「どーしてわざわざI市まで?」

「いっやーウチの街じゃやってなくて。ヨソ者ですみません」

「なんで『Ⅱ』なんか受けようと思ったんですか」

「あのう、課長に『お前、行ってこい』てゆわれたのがきっかけなんですが

 本当は僕もちょっと救命、本気でやってみたいと思ったからなんです」

「そうですか。がんばってください」

最初にAEDの説明、

そして応急手当に関する一時間あまりのDVD試聴の後、

実技講習に入った。

今回『Ⅱ』を受講しに来たのは僕、

地元企業から3人の男性、

それに熱心な高校生の計5人だった。

若い女性のグループ7人も来ていて

この市にある大きな自動車工場の従業員の方だそうだが、

こちらは「Ⅰ」の講習を受けに来られたよう。

おなじみのレサシアンに人工呼吸、

心臓マッサージを施す練習をする。

僕はなかなか手順を覚えられなくて失笑を買ったが、

今日の僕はへらへらの僕とは違う。

真剣である。

その合間にも署には救急出動を告げる放送が

何度も流れた。

そんな人の生死を分ける場所で

僕がへらへらになる訳がなく、

講義も一生懸命聴いた。

消防士さんの的確な指導で僕もなんとか

一連の手順を覚え、

○×の筆記試験もほぼできた。

実技試験の順番は一番最後、緊張したが

「よくできました」と褒めてもらうことが出来た。

汗が吹き出た。

郵送がないため修了証を直接取りに行かねばならないが、

20数キロの道だって喜んで行く。

僕は晴れて普通救命講習Ⅱを修了したのだから。