RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

浅田あつこLive

イオン高槻(旧ジャスコシティ高槻)でいつも通り買い物。

センターコートが多くのお客さんで埋まっているので、

今日も何かイヴェントがあるのかしら。と覗いたら、

演歌歌手の浅田あつこさんという人の

ミニライヴが催されるのだという。

豚児と相談し、観ていくことにした。

失礼ながら浅田あつこさんという歌手は存じ上げておらず、

新人の人かと思っていたら、

MCで芸歴が17年であることが述べられ

少しく驚いた。

そのせいか、センターコートを埋める多くの

年配の人たちの中には固定ファンと思しき人も多く見え、

浅田グッズを手に応援する人もいて

そのキャリアの長さを実感したのであった。

今日は新曲

「恋するだるま」のプロモーションで訪れたらしい。

さすがプロの歌手の歌唱力は抜群である。

僕は新潟を舞台にした、ロングトーンの美しい

「見返り橋まで」という曲、

デビュー10周年記念ソングらしい悲恋のバラード、

「赤い河」という曲が特に気に入った。

演歌を真面に聴いたことはあまりないが、

慕情を湛えた詞、壮大なアレンジ、

なかなか良い。

それ以上に感嘆したのは

そのステージングの安定感で、

歌唱力は勿論のこと、

MCも巧い。

曲の合間が弛まないように切れ目なく

語りを入れていくのだけれども、

自己紹介を印象的なエピソードで語り、

営業なので曲の紹介はもちろん丁寧だし、

最近の出来事なんかを語っていたと思ったら

実はそれが次の曲の伏線になっていたりして、

場当たり、思いつきでない、

練られたMCであった。

かなり場慣れした印象を受けた。

伊達に芸歴17年を重ねていない。

僕がよく聴くロックな人たちのライヴでは、

曲はともかくMCは

「あー。どもー。○○でーす。みんなノッてるかーい」

という最小限の内容を多少表現を変えて繰り返すのが多く、

正直なところ内容に乏しいことが多い。

まあ歌手の本分は歌うことにあるのだから、

MCの巧拙がその歌手の評価をどうこうするのでは

ないと僕は割り切っているのだけれども、

面白いに越したことはないのだから

ひとつ巧いMCについても研究してはいかがだろう。

もっとも、このような演歌歌手の人のMCは背景から

必然的に身についた技だと思うけれども、

チケットを買って来て貰うロックの人たちの

ライヴは「公演」であるが、

今日の浅田さんのライヴは

「営業」である。

「公演」のように

ある程度「ファン」という前提が共有された中では

MCでコアな話題もできるしここでしか通じない符丁なんかで

一体感を演出することもできる。

が、

僕と豚児みたく

「この人だれ?」という層が

たまたま足を止めた。ような

烏合の衆の前でのライヴでは、

万人に受け、なおかつ関心を持って貰えるような

MCをする必要がある。

難しい。

僕も歌手になったら浅田さんのMCに学ぼう。