「今度やる販促イベントの経理、頼んだよ」
と営業の人に頼まれたのは先月。
「えーなんでー」
「ヒマだろ」
「忙しいですよ」
「オレらはもっと忙しいんだよ」
営業の人は思いつきで
POPやらコーンとか訳の分からないものを
いろんな業者に注文して
一月経って
えらく面倒な決算報告書が出来上がった。
というか僕が出来上げたんだけれども。
「ほらよ。21254円だ。これで支払い頼むよ」
「あれ。売上金足りないですよ」
「んな訳ねえだろ。ちゃんと数えろよ」
「だって、前に『55円ずつ回収して55555円ください』って
明細と一緒に紙に書いて渡したじゃないですか」
「オレらの計算じゃ21254円だったんだよ」
「オレら、って言いますけど、僕の出した明細見て
確認して貰いましたよね」
「覚えてねえよ」
「これじゃ業者へ支払いできませんよ」
「どうすんだよ」
「どうしますか」
……この時点でいつも僕がここで書いているような結末に
なることが予感されたのだけれども。
「お客から不足分を集めてください」
「んなこと出来る訳ねーだろ。
お前が事情を説明して回収しろ」
……ということで、
僕が一件一件顧客に電話して陳謝、
嫌味を言われながら不足分を振り込んでもらうようお願いした。
明日は仕事を休もう。