秋風の結婚式 - RoseEnNoir午前零時

ＤＶＤ編集作業が一段落した。こういう日に限って明朝休日出勤だったりする。今日は結婚式二次会大パーティにお呼ばれするという光栄に与った。わあい。集合時間ちょうどに参上した。しかし、今回困ったことが一つあって、それは僕の顔に謎の腫脹が発生してここ５日ほど消えず、ただでさえ冴えないルッキングが一層沈鬱なものになっていたのである。まずいと思った。「ぷぷ。ヘンな顔。だっさー」と、僕自身が嘲笑される分には一向に構わない。が、「新婦の係累にはあんな醜男がいるなんて。ねえ」と、ホストを貶めるようなことが万が一にもあってはならず、僕は毎日レベル４のステロイド剤を祈るような気持ちで塗布していたが効果はなかった。なので仕方なく今日は妻のコンシーラーとファンデーションを借り、部分的に二ミリぐらいの厚みのメイクを施し隠蔽工作をする他なかった。また、「新婦とはどういうご関係ですか」と、他の人に聞かれた場合「えっと、コピーを取ったりしています」等と正直に答えてしまっては「新婦の係累にはあんな小間使いがいるのよ。ねえ」とこれまたホストの評価を著しく下げることになるのであり、素性を訊ねられた場合は「ゴールドマンサックスの日本法人でトレーダーをしてて、　その縁で」となんとなくカッコよさそうな肩書きを詐称することにした。さて、パーティである。梅田の音楽喫茶みたいなところで、広い店内にはステージがあり、それを囲んで人々が談笑できるようになっている。非常にナウいつくりで僕みたいな田舎モンには場違い、洗練された空間である。ステージではきっと都会的なパフォーマンスが繰り広げられるに違いない。新郎は初めてお目にかかったが背も高く男前、後の催しでは自ら太鼓を叩き、音楽を演奏し歌も歌唱するというマルチな才能ぶり。聞けば上場企業の幹部候補だという。物腰も紳士的である。パーティ中は友人に「エロい」等イジられていたが、卑猥な人を「エロい」とからかっても文字通り「洒落にならない」のであり、シャレとして成立するのは彼が実に立派な好青年だからである。新婦は学校の先生をしておられ、笑顔の素敵な明るい女性でありキッズ達にも人気のあることだろう。非常にお似合いの二人である。僕はなぜか敗北感みたいなものに苛まれたが、自分は敏腕トレーダーだと言い聞かせて写真を撮ることにした。今回持参した一眼レフはなぜか調子が悪く、再三にわたってオートフォーカスが誤作動するという不運に見舞われたが一番困ったのは、会場の照明に黄色や青やいろんな色が混ざっていることである。今まではずっと白熱灯オンリーの会場しか経験していないため、ホワイトバランスは「白熱灯」に合わせて安心していたのだけれども今回は妙に青っぽく写ったり赤すぎたりバランスが難しい。ピントは合わないわ色は難しいわ、なかなかに苦労したがそれでも厚かましく何枚もシャッターを切った。月並みではあるが、呼んでくれてありがとう。末永く幸せに暮らしてね。と願うばかりである。