僕らのアイドルＹ嬢という人がいるんだけれども、
Ｙ嬢が来月誕生日を迎えられるらしく、
じゃあ僕らから何かお祝いをしよう。ということになった。
で、何がお祝いに好適か。という話になったところ、
Ｙ嬢は有名な
ゆるキャラ
「
ひこにゃん」を
大層お気に召しているという。
クールビューティな普段の振る舞いからはあまり想像できなかったが、
女性なのでキティさんや
スヌーピーさんといった愛玩キャ
ラクターが
お気に入りであっても不思議ではない。
ましてや、「
ひこにゃん」といえばそう、
僕の実家のご近所にお住まいなので捨て置く訳にはいかない。
早速案内役を買って出て、
誕生日プレゼントを買いに行くためだけに１００キロの道をゆく
旅を企画したのである。
無論、こんな割に合わない旅をするのは僕だけだろう。と腹を括っていたら、
意外にも多くの賛同者が得られ、僕のムーヴ号ではなく
大型ラグジュアリーカー「きぼう」号を急遽チャーターして貰うことになったのである。
これもＹ嬢の人気の賜物である。
さて、僕ら一行はしょうもない渋滞に邪魔されながらも
無事
滋賀県彦根市に降り立った。
「
ひこにゃん」自体は関西圏の駅のキオスクなんかで
普通に買えたりするが、
僕が現地に飛ぶことを強硬に主張したのは、
Ｙ嬢に僕らの本気を示すためであり、
他の贈答と差別化を図るためである。
そのため、購入する「
ひこにゃん」は
ぬいぐるみや携帯ストラップ等一般的なものであってはならず、
これぞご当地モノ。と呼ぶに相応しい
ディープなものを買う必要があったのである。
なので僕は最初
「ひこね街の駅 戦国丸」というお店に足を延ばし、
ここで
彦根花しょうぶ通り限定キャ
ラクター
「しまさこにゃん」の購入を提案し、
見事しまさこにゃんがプリントされたグッズを手に入れたのである。
あとでこれは無駄足だったということが分かったが。
その後四番町スクエアで
「
ひこにゃん」がプリントされた実用的マニアックグッズを購入、
また全員で
証拠写真も撮り
本気アピールの準備は万端なのである。
このためだけに往復２００キロの道を運転してくれた
仲間のみなさんには感謝して止まない。
これでＹ嬢のバースデーはほぼ僕らが一人勝ちを収めることになるだろう。
賛否両論？
