RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

痛い異体字 JIS第4水準

「くらあ僕ができなかったら誰もできませんよ」たあ

なんて傲岸不遜な台詞。と自分でも思うけれども、

実際そうなのだから仕方がない。

代わりにやれるならやってご覧じろ。という仕事は

時々あるんだけれども、今日もむつかしいオファーが舞い込んだ。

他でもない、顧客リストを作成しろ。といういかにも一般職らしい

命を請けたんだけれども、これが実は厄介な代物で、

事情により戸籍通りの表記でしたためろ。というもの。

「勿体ぶって。要は名簿づくりだろ」と言われたいところだけれど、

日本の戸籍表記というのは複雑怪奇を極めるのであって、

まあメジャーなところだと

「高橋」さん「髙橋」さんあたりなんだけど、でもこの程度なら

普通の漢字変換で出ます。

「吉」田さんの上が長い方と下が長い方になるともう手書き入力に

頼らなければならず、

つまり、こういう異体字が日本には

馬鹿みたいに多いのです。

いや、きちゃない言葉を遣ってしまった。

でも、僕は本気で文化審議会の人たちに言いたい、というか

自分が審議会のメンバーになりたいくらいだけど、

この異体字が未だ数多く残っているために

例えばインターネットなんかでは随分と厄介者になっているのであり

「崎」と「さき(「崎」の大の部分が立になってるやつ」は同時に検索できないだろうし、

こういうマイナー異体字を一掃できんもんだろうか。

特に見るべきルーツをもたない異体字が未だ戸籍簿なんかで息を潜めて

残っているのが不思議でなりません。

ただ、そういう異体字を姓にもつ人にとって、やっぱり字体にはこだわりが

あるのかどうか、僕には分かりません。

他人事だから「面倒だ」としか思えないのですが、もし異体字にプライドなり

アイデンティティがあるのであれば僕の意見は申し訳ないという他ありません。

混同されやすいのですが、僕は旧字体は好きだし、

残しておいて欲しいです。

森鴎外」よりも「森おう(メじゃなくて品の方)外」の方がカッコいいしね。

ただ、今回のオファーの中にも旧字体がいくつか含まれており、

残念ながらウィンドウズXPでカバーしているJIS第2水準までには

それが漏れており、僕のXPパソコンではどうあがいても表記できないのです。

第3水準、第4水準まで範疇に含めるビスタなら可能なのですが…

しかし、このJIS水準というのは底の見えない深淵、

日本漢字能力検定の準1級になってようやく

JIS第1水準3000字を出題範囲とし、

あの難解きわまりない1級ですら

JIS第2水準まで。

第3、第4水準って何や?

だからこの仕事はちょっと僕には無理です。