RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

川上未映子サイン会『ヘヴン』

画像
雨の烏丸通りを歩いていたのは、 大垣書店川上未映子さんの新刊『ヘヴン』の サイン会のため。 先週お店に電話したところ、まだ整理券があったのでラッキー。 楽しみで仕方のない僕は自然に早足になるのでした。 川上さんは昨年芥川賞を受賞されて、 受賞作『乳と卵』を読んだのがきっかけで興味を持った作家さんです。 その樋口一葉に影響をうけたという独特の文体はテンポもいいし、 でも小説の主題は、善悪の彼岸を俯瞰するようなというか、 切実さがあって、 注目している作家の一人です。 順番待ちに倦んでいたら、ようやくご本人が登場。 歌手やモデルの経歴もあり、大変綺麗な方です。 そしてなおかつ企みに満ちた小説が書ける才能を 持ち合わせているのは羨ましいという他ありません。 間近にお目にかかりましたが、やっぱりオーラが違いますね。 さて、サイン会でいつも困るのは、 署名をしてくださる作家さんに何か声を、 申し上げるべきなのかあるいは邪魔だし黙っとくのか。 でもそれじゃ失礼な気もするし、でもたくさん待ってる人がいる中で 「いっやー。ホント今回の作品を拝読して僕は 感涙に噎び泣きましたよ、特にマルチーズが理性に目覚めるくだりが…」 等と感想を申し上げるのはお店の進行の妨げになる気もするし、 それに僕なんかの誤読ありありの低劣な感想を申し上げたところで 「自分の小説はこんな風にしか読まれてないのか」と 作家さんを落胆させることは必至で、 結局僕はいつもどおり 「こんにちは」と「どうもありがとうございます」の他沈黙せざるを得ないのでした。 でも川上さんは、 「お足下の悪いなか(来ていただいて)ありがとうございます」と 親切にご挨拶くださり、 為書きを書いてもらう際に 「この名前(僕の名前)はこう書くのかしら」と何かしら声をかけてくれたり、 本当に素敵な方でした。 また家宝が一つ増えました。