RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

偶然の確率

偶然とは恐ろしい。

僕はいつものように自宅前の公園で

豚児を放し飼いにしていた昼下がり。

他にも似たような子連れがそこいらをうろうろしていて、

当たり前の光景だね。

で、おやおや。

豚児が遊ぶすべり台の付近で同じように遊んでいた親子の、

母親が誰かと携帯電話で会話を始めたようです。

「あー。大野です」

それがたまたま耳に入った僕は、

あ、オレと同じ名前じゃん。と、まあ別段驚きはしなかったのですが、

「こんどー。○○の結婚式があるからー。高宮駅まで迎えにきてー」

という一節で立ち聞きする延髄にごつん。

その駅はまさしく、山中の隠れ里である滋賀の僕の実家の

最寄り駅であり、そこで関心が一気にローカルに収束しました。

ここ(いま僕らがいる場所)は大阪のどうでもいい住宅街なのに、

限りなく限定的な滋賀県の一スポットを共有する公園の二人。

同郷人なのね。珍事だわ。確かに喋り方もウチの地方のものだし。

そして、決定的に衝撃を受けたのが

「犬塚ケイコと鳥頭ミキと一緒にいくんー」

という一言。

ご丁寧にフルネームで言ってくれたから確定したのですが、

この友人と思しき二人は

我が母校、名門高宮第一高等学校3年B組のクラスメイトに他なりません。

殆ど同級生の名前を忘れてしまっている僕でも、

犬塚さんは「ミス3B」を受賞したくらいの美人。

自分で立候補したのがみっともないからよく使われる、

「友達が勝手に応募しちゃってー」という台詞が

彼女からも聞かれたのが印象的でよく覚えています。

鳥頭さんはその取り巻きで、どういう脈絡かは忘れましたが

「君なんて歯牙にもかけていないよ」という台詞を吐かれたのが

これまた印象的で偶々覚えていました。

ということは、目の前で携帯に喋っている奥さんも

犬塚さんたちの係累であることは間違いなく、

つまり僕とも遠縁にあたるわけで、

「いっやー。奥さん。もしかして高宮第一高等学校の方ですか?

 

こんな大阪の果てくんだりの公園で同窓生にお目にかかるなんてねえ。

はは。奇縁ですね。あこれウチの豚児です。よろしく」

と、思わず声をかけそうになったんだけれども、

「あんたヒトの電話立ち聞きしてたの?」

「だって人目も憚らず大声で喋ってる方が悪いんでしょ」と

ばつの悪い口論になるのもイヤだったので

黙って豚児とその場を去りました。

よもやこの奥さんもクラスメイトだったりして。と

ちらと窺ったのですが思い浮かぶ顔はありません。

しかし、郷里滋賀の平和堂の食品売り場とかで

「あーお前。タカ高ん時の××じゃーん」なんて出くわすことならまだしも、

全く遠く離れた、大阪のどうでもいい郊外の、

どうでもいい住宅地のどうでもいい公園で同級生に出くわす確率の

ものすごい小ささに触れた僕は、それを思わずここに書かずにはいられないのでした。