RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

あながち嫌いにもなれない亀田大毅

やっぱり、というかまあある程度予想していたことだけれども、

ボクシングの亀田大毅選手の試合が今週あって、

その後は案の定、メディアは亀田叩きで大盛り上がりです。

今回は反則行為云々ということですが、亀田一家の試合といえば

八百長とか何か必ずやらかしてくれて(ニュースの材料になる)

その後バッシングの嵐になる、というのが恒例行事になってきました。

ところで、別に今回の反則行為とかを擁護する意図は全くないのですが、

私はみんながマユを顰める亀田大毅選手が嫌いでもなく、むしろ

けっこう好きな方です。

兄の興毅選手にはあまり興味がありませんが、

大毅選手は試合後(勝った場合の)歌のパフォーマンスが

自分のツボにはまってしまいました。

なんというか、選曲のセンスとか、歌い方とか、なんともコミカルで

真面目に聴けば失笑を禁じ得なくて現に「無礼だ」「下品だ」という評は

そのとおりだと頷かざるを得ません。が、

私はあのパフォーマンスが面白くてしょうがないです。

今回は負けちゃったので歌がなくて残念……

「浪速の弁慶」というニックネームも、

キャラクターはともかく格好いいと思いますし……

今回の試合もそうでしたが、試合前の「(対戦相手を)イジメたるで」

「負けたら切腹」等々の恒例のビッグマウスを額面通りに受け取って、

これまた「無礼だ」「下品だ」という批判はその通りでしかないのですが、

例えばプロレスじゃあそんな物言いが普通ですし、それを了解済みの上で

面白がるのが興行の楽しみ方じゃないのかなあ。

プロボクシングも興行色が結構濃くなってきたし……

まあ、前述のようにだからといって亀田大毅選手のパフォーマンスを

擁護する意図はなく、共感もしません。

こういうバッシングも最早演出の一つとして織り込み済みだろうし、

逆に試合の度のこうした騒動を利用して、ヒールのキャラクターを確立し

強化していった彼らに対しては、毎度毎度通り一遍の「無礼」「下品」という

批判を浴びせるべきなのでしょう。

しかしながら、改めてあの強烈なキャラクターを作り上げた

才能には敬服します。まるで放送作家が台本を書いているような……

ああいう無礼下品キャラクターは特に目新しいものでもないのですが、

ボクシングにある種のストイシズムを求めていた人にとっては、とりわけ

強烈に映るようです。

かくいう私もそれに近く、子どもの頃からちょっとボクシングに憧れていた

部分があって―単に自分がやせっぽちだったからなんですが―それで

自分と同じように細くてたかが体重が40キロ50キロぐらいの人が

凄いスピードで撃ち合いをしているのが格好良く見えたんですよね。

で、あの厳しい減量とかのイメージが、いっそうボクシングに

ストイックさを加味して……

そのぶん、地味という印象が拭えなかったボクシングですが、

ホントあの歌は強烈なカウンターパンチになりました。