雑誌を読んでいて、小林伸一郎『亡骸劇場』の写真が
目に留まり、しばらく解説を読み耽りました。
(こちらの写真は別のものです)
この人は、日本中の廃墟という廃墟を撮り歩いた、
「廃墟写真」の第一人者だそうです。
これら氏の写真から、朽ち往く数々の廃墟が無言で、
…けれども強烈な生のメッセージというか、そんなものが
伝わってきました。
廃校とか、廃線とか、そんなものがなぜか愛おしく感じられる…
(子どもの頃の話)
近江鉄道から工場に伸びる引き込み線の草生した光景とか、
佐和山の麓にあった、壮大なセメント工場の残骸とか、
そんな景色が妙に生々しく自分の記憶に刻まれています。
ここに載せた写真は、滋賀県人なら誰でも知ってる(た)「琵琶湖タワー」
の、廃墟と化した姿。切なくもあり、空しくもある光景。
けれども、静かに眠りにつこうとする終焉の姿に、
ある種の優しさみたいなものもまた感じられたりします
。