RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

学校選択制

今日は豚児のおともだちが遊びに来てくれた。

本当は一緒にどこか遊びに出かけるつもりだったが

雨だったのでウチで遊ぶことになった。

こういう日に限って雨が降る。

時事問題であるが、

(公立小中学校の)学校選択制。というのが

ここ10年ほどでだいぶ一般的になってきて、

つい最近も大都市大阪市にて学校選択制を導入しようかな。

どうしようかな。というニュースが流れた。

僕は学校選択制に対して賛成でも反対でもなく、

まあ悪くはないかな。程度に思っているのだけれども、

賛否を明確にしにくいのは、あまりに疑問点が多すぎるからだ。

特に小学校。

最も疑問に思うのは、

「立地(近いか遠いか)以外にどんな条件で選択するのか」

である。

例えば普通科の高校なんかは、近いか遠いかよりも

入学時偏差値で決める場合が多いだろう。

大学では、勉強したい学部があるかそうでないかであって、

医学の勉強をしたいけど医大は遠いから

近所の経済学部にする。という話は恐らく無い。

仮に中学校で選択制を導入している地域の場合、

よく聞くのは

「地元のA中には野球部がないけどB中にあるからそっちに行く」

とかで、やりたい部活動の有無で判断したりすることが多いらしい。

では、小学校の場合、

市内の全小学校どこに入学してもよいですよ。と言われた場合、

何をもって選ぶのか。

ここでオフィシャルサイドからよく耳にするのが、

「学校の特色で選んで」というもので

これがよく分からない。

学部に分かれている訳ではないし、部活動もない。

いわゆる「偏差値」についても、有名私立中学校への

進学者数なんかを強引に比較したりできるかもしれないが

基本的に小学校は受験指導を行っている訳ではなく受験は各家庭で

勝手にやっていることなのでそれを小学校の特色。とするには無理がある。

となると、学校の施設設備といった教育環境や

カリキュラムに代表される教育内容、を比較するのが妥当だが、

これらは結論から言って選択の余地がない。

なぜなら、前者で言えば一般的な市町村では

教育予算を各校の規模に応じ極めて公平に配分するからであり、

A小学校だけエアコン完備、B小学校は寒風吹きすさぶ木造校舎。

という状態が一時的に生じていても長期的に是正される。

また、あまり知られていないことであるが、

各学校(校長)には予算権がない。原則として学校予算は

市の教育委員会が執行するのであり、

(便宜上各校に)割り当てられた予算を各学校が

好き勝手に使ってよい訳ではないのである。

先の結論でいう後者、教育内容について言えば

そもそも義務教育はナショナルミニマムの観点で構成されているのであり、

教える内容からその時間数に至るまでまで学習指導要領その他で

仔細に亘り隅々まで規定されているのである。

教育課程の編成権は一応各学校にあると解されているが、

「ウチの学校は一日7時間授業をします」とかは多分無理だろう。

教科書についても、もちろん独自のものなんか使えないし、

採択についても各学校でなく一つか複数の市町村単位で行うのが基本。

そもそも「学校によって差がつかないように」

「日本中どこでも同じような教育が受けられるように」

上記のような法制度が出来上がっているのである以上、

それに反して各学校にそれぞれの特色を求めるのは困難ではないだろうか?

さらに言うと、各学校(校長)には人事権がなく、

「スポーツマン養成小学校にしたい」という目標があっても

体育の得意な先生を寄せ集める。とかいった人事は無理である。

もっとも、ここの学校だけ算数を削って体育を増やす。とかも無理だし。

なので結局、各学校の「特色」というのはたぶん

実体があまり伴わないものではないかと予想され、実際にいくつかの事例を

調べてみたが、やっぱり一日7時間授業をしている小学校や

体育教師オンリイで編成されている小学校はなかった。

ただ、僕は「立地」その一点で、学校を選択できる余地があるのは

望ましいと思う。

校区割りの都合上、

すぐ近所にある学校に通えず、

遠くの小学校に通う。というケースは意外に多い。

こういう無駄な労力を選択制により解消できるのならばよいことではないだろうか。

今後の動向に注目したい。