RoseEnNoir午前零時

ギタリストRose En Noirの日常身辺雑記

行く年去る人

「あ。Rさんあけましておめでとうございますう。

 今年もよろしくお願いします。しっかしさぶいですね。」

「あ。丸の内さん。あけましておめでとう。

 なんか珍しい服を着てるけどなかなかアナーキーだね」

むかし絵本で読んだ、カラフルな象のような柄であった。

「福袋に入っててえ。いいでしょー。Rさんは今年もくまですか」

「お。いいところに気がつくね。このくまはプリントでなく

 刺繍なんだ」

「おっしゃれー」

「でしょー」

「ところで、あの一つ報告があってえ」

「あ知ってる。丸の内さんとこの支店、年末の販促コンペで

一位か何かになったんだよね。あれ丸の内さんがやったんだろ。

プレゼンテーションで見た販促サイト、カッコよかったよ。すごいなあ。

今度僕にもHTMLの書き方、教えてね。」

「えー。あれは見よう見まねでやったというかあ、そんな

大したことないですう。それはそうと、

私、結婚するんです」

「え」

「今年」

「ん。ああ、そっか、・・・よかったじゃあん。」

 誰とどこでするの」

「男の人とチャペルで」

「だよねー。マジめでたいしー」

「私、Rさんにお礼をゆわなくっちゃあ」

「それに関しては何にもコミットメントしてないけど」

「結婚しようかなあどうしよっかなあ。って迷ってた時に、

 Rさんが

 『AかBかで迷った時はどちらかにする他ないけど、

 するかしないかで迷った時はしないに越したことはない』って

 何かで言ってて、何言ってんだコイツって思ったけど、

 でもその時は確かに彼氏も仕事がうまくいってなかったりしてて、

 そんな中で結婚、しちゃってもうまくいかなかったかもしれなくて、

 でも一年、待ってみて、仕事もやっぱりデキる人だったし、

 苦労してるとことかいろんな面をみて、その人のことが

 もっとよく分かった気がして、いまなら迷わず、結婚できます」

「何の躊躇いもなく行動に移せる状態はもっと危険だと思う」

「なんでそんなこと言うんですかー」

「冗談だって。丸の内さんが選んだ相手なんだから、

 間違いはないと思う。・・・おめでとう」

「ありがとうございますう」

「仕事は続けるの」

「今年(度)いっぱいかなあ、と思ってるんですけど・・・」

「FP的には専業主婦。ほど危険な選択はないよ。よく考えてね。

まあ旦那さんの年金にもよるけど。どんな人?」

「男の人」

例えば小学生の頃は一緒に三角ベースなんかをやって

大勢でつるんでいた友達が大きくなるにつればらばらになって

ちょっとさびしく感じたものだったが、

社会人になってからも似たような感覚にはよく遭遇する。

今年は始まったばかりだが会計年度はあと3ヶ月弱である。

桜の花は雪の下で既に強かに芽吹く準備を始めているのである。