『春の雪』三島由紀夫
『ベルばら』でおなじみの、というかそんな注釈さえうっとうしい
巨匠、池田理代子氏の手によるコミック版です。
マンガではありますが、ひさしぶりに三島作品に触れて……。
十代の頃に読んだ感じ方と、二十代後半のいまの感じ方とでは、
明らかに違うなあ。そんな自分自身の違和感を感じました。
こういった、破滅的な恋愛とか、まだウブな十代の頃の方が、
「まあそんなもんかなあ。エックスも『破滅の美学』を説いてるしなあ」
なんて素直に感心してて。
いま読み返してみて、「アオいな、青年……」ていう具合の、
ちょっと大人な自分を発見したりした本でした。